SegWit2x問題って一体何?

SegWit2xってなに

こんにちは、難しいことはあまり深く考えないマグナム(@kasoson)です。

とはいえ、仮想通貨に参入して、きちんと過去のことも勉強すれば、かならず出てくるのがSegWit2xのハードフォーク問題です。

このSegWit2xを導入するとかしないとかでビットコインの価格が上がったり下がったりしてたんです。

ということで、そんなよくわからない【SegWit2x】問題を少し勉強してみました。



そもそもSegWitってなに

【SegWit】と言うのは、ビットコインのある問題を解決するための一つの方法です。

ある問題というのは、ビットコインのブロックチェーンのサイズが小さいせいで、取引の遅延が起こる【スケーラビリティ問題】です。

ビットコインが開発されたときには十分だったブロックチェーンのサイズですが、流通量が急激に増えたことによって問題が起こってきたわけです。

で、その問題を解決しようとたくさんの技術者が議論を重ねてきています。

ちなみに、ブロックチェーンについてはこちらのエントリーが参考になります。

ブロックチェーンって何?初心者にも分かるように解説

議論の結果、ブロックチェーンサイズの【スケーラビリティ問題】を解決する一つの案として、取引のサイズを圧縮する方法【SegWit】が提案されました。

普通に考えれば、ブロックチェーンのサイズを大きくすればいいんじゃないかと思っちゃいますが、そう簡単にはできないんです。

というのは、ブロックチェーンは取引を全て記録しているので、一つ一つのブロックに取引の記録が記載されていて、それをどんどんつなげて分散して台帳を保存することによって、正確性を担保しています。

なので、ブロックチェーンのサイズを大きくする場合、今までに取引情報が記載されたブロックのサイズも変更する必要性が出てくるため、これまで積み上げてきたネットワークが崩壊する可能性が出てくるんです。

それで考え出された結果が、【SegWit】によって、ブロックサイズはそのままにして取引のサイズを小さくすることです。
ブロックサイズを変えずに多くの取引を記録できるようになり、【スケーラビリティ問題】の解決につながるということで、ビットコインでは2017年8月に導入されています。

SegWit2xとは

次に、SegWit2xですが、SegWitに「2x」がついているので、同じようなものだということがわかると思います。

Segwit2xとは、SegWitと同様にビットコインのルールを変える方法ですが、違うのは、ブロックサイズ自体を大きくしようというもので、いわゆる【ハードフォーク】と呼ばれるルール変更方法になります。

ハードフォークについてはこちらの記事をどうぞ

ハードフォークっておいしいの?ハードフォークを優しく解説

【SegWit】で説明したように、ブロックサイスを大きくするとなると、全てのブロックを変更する必要が出てくるため、古いルールを残したまま、新しくルールを適用するというやり方になり、古いコインは存在したまま新しいコインを誕生させることになります。

つまり、【SegWit2x】を適用するということは、新しいコインを誕生させ、新しいルールを作る【ハードフォーク】を実施するということになるわけです。

SegWit2xによる【ハードフォーク】については、いろいろと問題を抱えているため、ビットコインコア開発者やビットコインシステム参加者の間で意見がわかれていたんです。
※ビットコインコア開発者とビットコインシステム参加者についてはこちらのエントリーで説明しています。

ビットコインコア開発者にビットコインシステム参加者ってなに?

一旦は「ニューヨーク協定」によって、2017年11月19日にSegWit2xによる【ハードフォーク】が予定されていたのですが、ハードフォークの日が近づくにつれ、【SegWit2x】導入への反対が増え、結局SegWit2xは延期されることになりました。



SegWit2xの問題点

予定されていたSegWit2xが延期された理由は、次のような問題点があったからです。

  • 開発者が一人しかいない?
  • ハードフォークを行うにあたっては、多くの開発者やマイナーが必要になってきます。
    新しいシステムの導入となるからですが、SegWit2xのシステム開発者は一人しかいないという噂もあります。

    これがほんとかどうかはわかりませんが、かなり重要なシステム変更にかかわらず、開発に多くの技術者の協力を得られないのはかなり問題があるといわざるをえません。

  • 透明性の欠如
  • SegWit2xの開発者から、その開発や運営の計画が明確に示されていないなど、今後の運営について不透明な部分が多く、さらにビットコインの【スケーラビリティ問題】を根本から解決するのではなく、部分的な解決方法であるということも問題視されていました。

  • リプレイアタックの対策が不十分
  • 最も重要なのがこの部分です。

    ビットコインを含む仮想通貨(暗号通貨)には、ハードフォークの際に仮想通貨を盗むハッキングである【リプレイアタック】の標的となります。

    その【リプレイアタック】に対する対策が十分になされていないため、ハッキングの格好の標的にされる可能性があり、最終的な合意を得られなかったということです。

    結局のところ

    SegWit2xによる【ハードフォーク】は中断されたものの、ビットコインのハードフォークは2017年12月から2018年1月までに7回も予定されていました。

    分裂したビットコインの子どものようなコインは、「ビットコインほにゃらら」とか、「ほにゃららビットコイン」などと名付けられていますが、はたして今後生き残っていけるのかはちょっと疑問を感じてしまいます。

    また、ビットコインについては、ビットコインの単価が上がりすぎたことによって、単位を小さくして、BTCから100万分の1である【Bits】という単位に変える案も検討されています。

    もし、ビットコインが1Bitsという単位になったら、

    1Bits=1.2円

    なので、かなり安く感じちゃいますよね。
    そうなれば、これまた参入者が増えるかもしれませんね。